コンサルティングファーム業界の動向
2024.04.24
DXの推進に牽引されるコンサルティング市場
日本国内のコンサルティング市場は2022年に1兆8,281億円に達し、2023年以降はさらなる成長が予想されています。
市場の拡大を牽引するのは特にデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進によるもので、コロナ禍以後多くの企業がデジタル技術を活用してビジネスプロセス、企業文化、顧客体験を変革し、企業の競争力を高めること、もしくはビジネスプロセスの最適化やデジタル技術の導入を加速しています。
具体的には、以下のようなプロジェクトによって企業変革が推し進められています。
・業務自動化 – AIやロボティックプロセスオートメーション(RPA)の導入により、日常的な業務プロセスが自動化され、効率性を大幅に向上させる。
・データ活用 – ビッグデータ技術やアナリティクスの進展により、大量のデータから有用な洞察を得ることが可能になり、よりデータ駆動型の意思決定が行う。
・顧客体験の向上 – デジタルチャネルを通じた顧客とのインタラクションが強化され、パーソナライズされた顧客体験の提供が可能になっている。これにより、顧客満足度の向上とともに、新しい顧客層を開拓する動きも活発化している。
・新サービス・ビジネスモデルの創出 – デジタル技術を活用することで、従来のビジネスモデルを根本から見直し、サブスクリプションモデルやオンデマンドサービスなど、新たなサービスやビジネスモデルが生まれている。
これらの変革は、企業が場での競争優位を築くために不可欠であり、その結果、デジタルトランスフォーメーションを専門とするコンサルタントの需要が高まっています。
企業はこれらの変革を成功させるために、戦略的なアプローチと技術的な実行能力の両方を提供できる専門家を求めており、戦略から実行まで一気通貫で支援することが出来る総合コンサルティングファームをはじめ、戦略コンサルティングファームもその上流部分を皮切りに下流まで染み出しその役割を担っています。
コンサルティング市場の拡大を牽引する主要な他領域
他にも、現在のコンサルティング市場の拡大を牽引する主要な事業領域には、以下のような分野があります。
・持続可能性と環境社会ガバナンス(ESG) – 企業が持続可能な運営を目指し、環境保護、社会的責任、良好なガバナンスを組み込んだ経営を進める中で、コンサルティングファームは関連する戦略策定や実施支援を提供しています。
・ヘルスケア – 医療技術の進展や健康管理サービスの需要増加に伴い、ヘルスケア業界での効率化、患者体験の向上、新サービスの開発支援が強化されています。
・ファイナンシャルアドバイザリー – 経済のグローバル化と複雑化が進む中、M&Aアドバイザリー、リスク管理、コンプライアンスなどの分野で専門的な支援が求められています。
これらの事業領域は、それぞれが市場のニーズに応じて特化し、企業の成長や変革をサポートするための戦略的アプローチを提供しています。これにより、コンサルティングファームはクライアント企業の競争力強化に貢献し、市場全体の発展を促進しています。
コンサルティング業界は、今後も新たなテクノロジーや変化する市場ニーズに応じて進化し続けると考えられており成長する一方、コンサルティング業界内での競争も激化しており、各ファームは差別化と専門性の強化を図ることが求められています。
今後も成長を続けるコンサルティングファームに転職するメリットには、広範なキャリア成長機会、イノベーションへの関与、影響力のある役割、リーダーシップスキルの向上などがあります。これらの要素が、仕事の達成感や専門性の向上に直結し、個人の成長はもとよりコンサルティング及びクライアント組織の発展に貢献しています。