[Interview Vol.1] Jenerate Partners 代表 二ノ宮尉様
2023.12.14
- 事業創造のプロフェッショナルが日本を変える
Overview:2015年の創業以来、事業創造のプロフェッショナルファームとして数多くの新規事業を立ち上げてきたJenerate Partners。
7期目の組織再編でホールディング制となり3つのエンティティに別れ、それぞれが米国ベンチャーのジャパンエントリー、日本の中小企業へのイノベーション投資、そして大企業向け事業創造支援を手掛けている。
今回は創業メンバーでありJenerate GroupならびにJenerate Partnersの代表取締役を務める二ノ宮尉様に創業当時の思いやプロフェッショナルサービスの特徴、そして求める人材像等を語って頂きました。(記事の内容は2023年12月時点のものです。)
二ノ宮さんは新規事業・事業創造に特化したプロフェッショナルファームを経営されておりますが、いつ頃からこの分野に興味を持っていらっしゃったのでしょうか。
二ノ宮様(以下敬称略) 高校生の頃から事業創造や新規事業を立ち上げるということに興味を持っていたため大学で日本を飛び出し、アントレプレナーシップに特化したプログラムを持つ海外大学へ進学しました。かつて日本が世界を席巻したSONYのウォークマンやTOYOTAのプリウス等のように、大企業の中から生まれる新規事業は社会の在り方を変える力があることから特に関心が強く、コーポレートアントレプレナーシップを専攻しました。今もこのパッションは変わらず、日本の大企業の中でもリーダーと呼ばれる企業から新しい製品・サービス、ひいては未来を創造していく―。その可能性を追求し、その領域で役立ちたいという思いがあります。
大企業の新規事業を立ち上げ支援をするという点からコンサルティングファームを創設されたのですね。
二ノ宮 はい。ただ我々は自らを”コンサルティングファーム”という形で押し出していません。目的は新規事業を立ち上げること、つまりゼロイチを成し遂げるという点にフォーカスしています。もちろん構想段階にある事業の解像度を高め、事業計画に落し込むプロセスはまさに戦略コンサルタントとしての役割ではありますが、それはあくまでも新規事業を立ち上げる一部分に過ぎません。描いた戦略を実現するために例えば、クライアントがケイパビリティの補完をする目的でM&Aをするならばそこにアドバイザリーとしても入るし、ベンチャー投資をするのであればビジネスDDにも対応する。あるいは技術検証が必要であればプログラミングも担うこともあります。そうなると単に助言して終わりというコンサルという範疇を超えてくるため”事業創造プロフェッショナルカンパニー”を標榜しております。
あくまでも目的は新規事業を立ち上げそして成功させるということですね。
Jenerate Group株式会社においてはJenerate Partnersの他にBlackShip株式会社、中小革新基盤株式会社といった別のエンティティが存在しますが、こちらも目的は同じでしょうか。
二ノ宮 はい、そうです。BlackShipはアメリカにおいて成功しているベンチャー企業が展開するビジネスを日本に輸入する商社的な役割を担っております。
一方、中小革新基盤は小さくても世界で戦える技術やサービスを持つ中小企業に対して未来に向けて花を咲かせるべく新規ビジネス創出を目指しております。
アメリカのベンチャーと日本のレガシーという世界観の異なる両者は対極的な存在ではありながらも、いずれも我々がエクイティリスクを取り株主として参加し、バリューアップを図り社会に新規ビジネスでイノベーションを起こすという意味では同じ目的です。
そして祖業であるJenerate Partnersは大企業の新規事業創出支援にフォーカスしています。
なるほど。一見バラバラに見える3つのエンティティですが、新たな価値を創造し日本経済を活性化しているという点では共通しているのですね。
二ノ宮 仰る通りです。ベンチャーとは既存業界をディスラプトするくらいの気概を持った挑戦をしていきたいですし、中小企業とは良いものを活かし成長していきたい。また大企業とは新しい事業を連続的に生み出していき、業界のリーダーとして日本経済をけん引していく成長に伴走したい。結果として三者三様、未来を作ることに挑み続けることが日本という国を強くしていくと信じております。その思いを込めた言葉こそがコーポレートスローガンである”VENTURE FOR EXTRAORDINARY”であり、今までにない事業を創る、特別な未来を創るために事業創造に挑戦する会社ということを表しており創業10期目に入ろうとする今も大切にしている言葉です。
なるほど、ありがとうございます。弊社はコンサルティングファーム転職支援に強みを持っておりますのでここから先はJenerate Partnersについてより深くお伺いしたいと思います。
まずはサービスラインやクライアントについて教えてください。
二ノ宮 まずテーマは先ほど申し上げた通り事業創造、新規事業立ち上げにフォーカスしています。そのためインダストリーカットはぜずに製造業や商社、通信キャリア、小売業など多岐に渡るクライアントとの取引があります。そういったクライアントに対してイノベーション戦略、イノベーション投資、事業開発に加え事業をスケールさせる専門サービスを一気通貫で提供しております。
特徴はどのような点にあるのでしょうか。
二ノ宮 いずれのサービス領域においても”泥臭さ”を大切にしており、例えばイノベーション戦略においては取締役会及び株主総会といった会社の意思決定機関から予算を獲得すること、つまりGOサインを取り付けることを一つのゴールに設定していますが、我々はデスクトップリサーチに留まらず顧客発見プロセスを必ず回した上で事業計画を練ります。要するに現場に出て未知の情報を獲得した上で計画に反映させます。
またイノベーション投資においては初期の見立てやディール実行まで一気通貫で走り切れるケイパビリティを自社で有しております。ビジネスデューデリジェンスは完全内製、M&Aに関するストラクチャリングや契約締結までは勿論、新規事業立ち上げが本格化するPMIフェーズにもどっぷりと関与しやり切ります。事業開発に関しても営業開発や販路開拓、技術開発などクライアントと伴奏しながら言わば泥んこになってでも走り切るのが当社の特徴です。
そうなると非常に一人ひとりが戦略やM&A周りに関して相当高いレベルでスキルを身に付けておく必要がありますね。ただ、そういった人材を採用するのはなかなか難しいのではないでしょうか。
二ノ宮 そうですね、事業創造プロフェッショナルの一員として圧倒的なハードスキルが伴っていないと我々のミッションを成し遂げることは出来ません。しかし必要なケイパビリティを入社前からすべて十全に備えて頂く必要はありません。
まず当社のイノベーション戦略とイノベーション投資そして事業開発の3つの領域においてクライアントに価値提供するために求められる学習項目は明文化されています。また3つのサービス領域すべてを突き詰める専門家を求めている訳ではありません。
つまりそれはどういうことでしょうか。
新規事業開発及び事業創造分野で価値を発揮するためには、経営人材である必要があると考えています。もっと言えば専門家であっては経営人材には辿り着けない。だからこそジェネラリストを目指す。
よってイノベーション戦略、イノベーション投資、そして事業開発の3つの中から各人が自身の興味関心の高い分野を選ぶ、つまりコンセントレーションを選択するという制度をとっております。選択したコンセントレーションに関する肉厚な教育とプロジェクトアサインを施すことで重心を持つ。しかし軸足を置いた以外の部分にも触れてもらう。そうした幅広い経験を積んで最終的には経営人材に成長してもらうことを期待しています。
専門家ではなくジェネラリストでなければ経営人材にはなり得ないという点、深く共感致します。具体的にはどのような社員教育をされていらっしゃるのでしょうか。
二ノ宮 まず選択したコンセントレーションによって上長が決まります。その上長がメンターであり、また部下の成長にコミットする立場となります。先ほど申し上げた通り各コンセントレーションのハードスキルを習得する資料やテキストはありますが、やはりプロジェクトの現場で学ぶことの方が多い。その成果を四半期毎に振り返り、どういうスキルを獲得すべきか、あるいは何を伸ばすべきかなどフィードバックしながら育てていきます。上長とスタッフとの1on1は隔週で設けています。
また四半期毎に全社員を対象とした半日間のミーティングを開催しており、ビジネススクールで学ぶような経営管理に関する知識を座学で学ぶ、あるいはケーススタディに向き合うなどのトレーニングも行っております。
各人が、自分自身の得意領域を大切にしながら、実地と座学のバランスが取れた環境で育っていくイメージを持つことが出来ました。最後に、今後どのような人に入社してほしいでしょうか。
二ノ宮 当社は事業創造プロフェッショナルカンパニーとして圧倒的なハードスキルを持ちながらも単にコンサルティングをするというよりは、エクイティを入れてリスクを取るビジネスをしています。リスクテイクすることが出来るのは、スローガンにもある特別な未来を作ろうとする気概や挑戦する気持ちがあるからこそです。そのため、まずは当社のビジョンに強く共感してくれる方に入社して頂きたいですね。
プロフェッショナルサービスを通じて育てた人材が成長し、やがては投資先の企業をリードする経営人材として花開く-。そうした循環をより多く作ることこそが私たちが目指す力強い日本経済の実現につながると思っています。